クレジットカードを持っていなくても、プリペイド方式でiTunesStoreやAppStoreなどの買い物に利用することのできるiTunesカード。
所有するカードを使う予定がない場合、売却することで現金化することも可能ですが、これは違法にはならないのでしょうか。
様々な角度から検証します。
・iTunesカードの現金化はどういった法律に関係する可能性がある?
・iTunesカード売却の際に関係する法律1.「古物営業法」
・iTunesカード売却の際に関係する法律2.「資金決済法」「組織犯罪処罰法」
・ただちに違法とはならないが、iTunesカードの規約には反する可能性も
iTunesカードの現金化はどういった法律に関係する可能性がある?
iTunesカードを「現金化する」とはつまり、手持ちのiTunesカードを売却することによって対価を得るという行為です。
つまり言うなれば、いらなくなった服やバッグ、本などを売る行為と基本的には変わらないことなので、それだけで即罪に問われるとは考えにくいでしょう。
ただし問題はiTunesカードがいわゆる金券に近いものであるという点で、お金そのものではないものの、貨幣にかなり近い存在である金券の売買については様々な制約を受けることも少なくありません。
具体的に、iTunesカードを売買する際に関係してくる日本の法律としては、「古物営業法」「資金決済法」「組織犯罪処罰法」などが考えられます。
これらが実際にiTunesカードを売却する時に関わってくる可能性があるのか、以下から詳しく検証していきましょう。
iTunesカード売却の際に関係する法律1.「古物営業法」
「古物営業法」とは、中古品の売買に関する業者を取り締まるための法律です。
つまりiTunesカードに限らず、本や服、ブランド品などすべての中古品の売買に関係するものとなりますが、これは主に業者を取り締まるためのものです。
中古品の売買を営業として行う場合には認可を受ける必要があり、許可を得ずに営業を行う業者は違法となります。
しかしこれはあくまで仕事としてする場合で、たとえばフリマアプリのように個人で中古品のやり取りを行うことに関してはこの法律の範囲外になります。
なので単にiTunesカードを売る、というだけのことならばこの法律には関係しません。
ただしこれを頻繁に定常的に行っていたり、毎回利益を出している場合には営業と見なされ、違法となる恐れがあります。
また仮に頻繁に行っていても定価以下の売値など利益が出ていなかったり、利益が出ていても単発の売却であれば、違法性を問われることはまずありません。
iTunesカード売却の際に関係する法律2.「資金決済法」「組織犯罪処罰法」
次に「資金決済法」とは、まさにiTunesカードのようなプリペイド方式のカードに関する法律で、プリペイドカードの払い戻し、つまり現金化を規制するものです。
ただしこれはカードを発行する側のための法律であって購入者側を取り締まるものではないので、購入者がカードを売却するという行為に関しては関係しません。
「組織犯罪処罰法」は、反社会的組織や一部の宗教的組織などによる犯罪行為を取り締まるための法律で、iTunesカード売却に関してはマネーロンダリングの規制と関係してきます。
マネーロンダリング(資金洗浄)とは犯罪などで得た利益を、転売などの行為によってその犯罪との直接的な関係がわからないようにするためのもので、たとえば犯罪によって入手したiTunesカードを売却して現金化すれば、この法律に抵触する可能性があります。
犯罪ではなく正当なルートで入手したものであれば問題ありません。
ただちに違法とはならないが、iTunesカードの規約には反する可能性も
このように通常の個人的なiTunesカードの売買であれば、日本の法律ではただちに違法になるということはまずありません。
ただしたとえば、クレジットカードのカード決済を利用してiTunesカードを購入し、売却することで現金を得る、いわゆる「クレジットカードの現金化」という行為は違法であるかどうかの議論があり、現時点で即違法とはならないものの、将来的には規制の対象となる可能性があります。
またiTunesカードの規約でははっきりと換金・転売などを禁止しているので、iTunesカードの売却は個人的なものであったとしても規約違反になってしまうかもしれません。
もしも発覚した場合には、犯罪として裁かれることはありませんが、規定によりアカウントが停止されたり、カードの残高が無効にされてしまうといった措置が取られる恐れがあるため、その可能性についてもしっかりと考慮しておくことが大切です。
まとめ・iTunesカードの現金化は違法ではないが、注意が必要
iTunesカードを売却するにあたって、日本の法律では「古物営業法」「資金決済法」「組織犯罪処罰法」などが関係してくる可能性があります。
ですが「古物営業法」は定常的な利益を目的とした営業でなければ問題はなく、「資金決済法」はカード発行側を取り締まるものです。
そして「組織犯罪処罰法」では犯罪で入手したカードを売却すれば、抵触する恐れがあります。
このように個人的で、利益を出すことを目的としたものでなければ既存の日本の法律で取り締まられる可能性は低いですが、クレジットカードのカード決済を利用した「現金化」を目的としている場合には、現在は違法ではないものの、いずれ違法とされる可能性はあります。
またiTunesカードの規約上では換金や転売は違反とされているため、もし発覚した場合にはアカウントを停止されたり、残高が無効にされてしまう可能性もあります。
あくまで自身の所有するカードを処分するだけの目的ならば違法となる可能性は低いですが、規約違反になるリスクなども考えて行動するべきでしょう。
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